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男子生徒、アルスの後ろからそう声を掛けたのは1人の

男子生徒、アルスの後ろからそう声を掛けたのは1人の女子生徒。隣と後ろにはやはり知り合いなのだろう、2人の男女が親しげな笑みを浮かべていた。「レミ。僕はCだったよ」「やった、同じ!スミ中風復健もナタクもEクラスでさ、独りかと心配しちゃった」「そうなんだ?」仲良し4人組、と言ったところだろうか。話し始めたアルスに内心にやりと笑いつつ、肩をぽんと叩く。「じゃあな。また機会が合ったら」短くそれだけ告げて足を早め人込みに紛れる。背後でアルスが何か言っていた気がするが、とりあえず無視した。それから教室に着くまでは特に何事もなく、無事1-Bへと辿り着く。教室の正面にある白板には座席の図が書かれており、1から番号がランダムに振られていた。それから図の下には、「紙飛行機参照」の文字。クラスしか書かれてなかったような、と飛行機だった紙を見やれば、教室に着いたのが引き金だったのか、書かれた文字が変わっていた。「21、か」感心しつつ、白板の席に振られた番号と照らし合わせる。当たったのは窓際且つ最後尾という素晴らしい席だった。自分の運の良さに感謝して、席に着く。隣には既に生徒が座っていて、やはり気になるのだろう、ちらりと俺を伺うような素振りを見せる。後から来た方の礼儀として、俺から話し掛けることにした。「多分暫く隣だよな?宜しく」すると何故か、相手は驚いた顔になる。それだけならまだしも、何故か周囲の人間まで一瞬騒めいた。隣の席の赤毛は騒めきの間に表情を笑顔に変えて、返事を返してくる。「ああ、宜しく。ハスキメル・ハーゼンだ」……うん?「……皇族?」「気付いてなかったのか?」「全然。悪かったな。俺はカレナ・ライルテッド」道理で周囲が皆遠慮と羨望の眼差しで見つめてるわけだ。無礼者、とか言われなくて良かった。俺としては目的を果たすまでは、あまり目立たず適度に過ごせるのが望ましい。「カレナか。気付いても変わらないんだな」「ああ、変えたほうが無難か?」「いや、いい。その方が嬉しい」「そりゃ良かった」敬語で態度も改めて、とか言われたら多分もう話し掛けなかった。だって面倒だ。「ハスキメル」は確か第2皇子だったはずだが、まさか皇族でも普通に学校に通っているとは。

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