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 『リューティス……』

 『リューティス……』プラチナウルフは言葉を発した。──サキカに向かって。『我が友、リューティスなのだろう?』念話であるそれは、頭に直接響く低く心juvederm volite好い声。サキカは無言で俯く。彼はサキカを覚えていたのだ。彼からしたらある日突然姿を消したであろうサキカのことを。『いくら成長しようとも、お主の姿は一目でわかる』「…………セネル」その名を呟けば、プラチナウルフ──セネルはサキカの頬に大きな顔を擦り寄らせた。『久しいな、リューティス』「……えぇ、お久しぶりです」サキカの返答にセネルは目を細め、サキカの隣に伏せた。『約十年振りか?』その問いにサキカは答えない。サキカは再び膝に顔を埋める。──風が草木を鳴らす音が耳朶を擽る。静けさが漂った。しかし、不意にサキカは顔を上げた。『どうし──っ!?』何事かと尋ねようとしたらしいセネルの言葉が途切れる。どうやらセネルもそれに気が付いたらしい。しかし、サキカが戦闘体勢にならないのを見て、首を傾げた。『人が近づいて来ているのだぞ? よいのか?』「えぇ……。知り合いですから」サキカもセネルも、人の気配が近づいて来ているのを感じとったのだ。そして、それが誰なのかサキカにはわかった。次第にその姿があらわになってくる。茂みを掻き分け、湖の辺の森が開けたここへと出てきたのは──「サキカ……。漸く見つけた」短く刈り上げた青い髪の、垂れ目の少年──ルシファ・レイトナールだ。レイトはサキカに歩みより、そしてサキカの隣にうずくまっているセネルが目に入り、一歩退いた。.

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