2018年06月14日

　サキカらしき人物とギルド“月の光

サキカらしき人物とギルド“月の光”の隊員服を身に纏ったガイアが、何か会話を交わしている。暫く言葉を交わすと、サキカらしき人物が辺りを見回し始めた。すると、その人物はアークに HKUE 傳銷を止めた。アークは眉根を寄せると、彼の方へと歩き始めた。慌てて後を追う。「……サキカ、だろ」彼の口元のファスナーに手をかけたアークは、それを一気に鎖骨の辺りまでおろした。彼の顔が完全に露になり、彼がサキカであるとようやく確信できた。ほっとして足を速めようして──、唐突にアークが片膝を地面につけて頭をたれ、そのようすに呆然と立ち尽くしてしまった。──あれは、戦場において目上の者から命を賜るときにする動作だ。この場において、一番立場が上なのはおそらくガイアだ。周りに先生が集まり、彼から指示を仰いでいるのだから。アークもガイアに対してあの動作をとったならわかる。しかし、なぜサキカに対してなのだろうか。もしかしたら、ギルド“暗夜の憂鬱”に所属するアークの方が立場が上の可能性もあるにも関わらず。唖然呆然としているのはレイトだけではない。その場にいた全員の視線がアークに向いている。「──我が名はアーク・レオン、ギルド“暗夜の憂鬱”に属する者なり。貴方様の身分は存じませぬが、何卒わたくしにご命（めい）を」レイトは思わず目を見開いた。その口上は自らの命をかけて守る相手にするものだ。.

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